大人のアトピー(13歳以上)
大人のアトピー性皮膚炎は、幼少期からの再発や合併症により慢性化しているケースが多いため、重症度に応じて治療が長期にわたることを前提とした受診をお願いしています。
当院では皮膚の状態に基づき、原則として13歳以上を成人の治療対象としています。
処方するお薬の内容は小児治療と共通する部分もありますが、年齢や体重に合わせて最適に調整し、必要に応じて抗生剤や抗真菌剤を併用します。
長年症状に悩まれてきた方が健やかな肌を取り戻すためには、根気よく内服治療を継続し、体質からの改善を目指すことが大切です。

大人の通院期間の目安
大人のアトピー性皮膚炎は、症状の程度や体質による個人差が非常に大きく、治療に要する期間もさまざまです。一つの目安として、当院における通院期間の事例(平均値)をご紹介します。
円グラフが示す通り、お一人おひとりの状態によって治療期間には大きな幅があることがわかります。
(注)グラフ内「15%」の疾患については、アトピー性皮膚炎ではなく、一般的な湿疹や疥癬(かいせん)などの疾患が含まれます。
十分な睡眠、バランスの良い栄養、生活環境の変化やストレスへの対策
も重要です。
新内服薬を開始すると、徐々にかゆみも軽減し、睡眠の質も向上し、生活の質が改善されていきます。
当院での治療期間中は、お薬の処方だけでなく、生活習慣やスキンケアの見直しも並行して行います。自己流のスキンケアや、根拠のない療法によって症状を停滞させているケースも少なくありません。
皮膚の状態を健やかに保つためには、以下の要素が非常に重要です。
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十分な睡眠時間の確保
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バランスの良い栄養摂取
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生活環境の変化やストレスへの適切な対策
新しい内服薬による治療を開始すると、痒みが徐々に軽減されていきます。それにより睡眠の質が向上し、健やかな日常生活を取り戻していくことが期待できます。焦らず、一緒に改善を目指していきましょう。
治療において大切なこと
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大人のアトピーは希望を持って長期治療

体治療 3年7ヶ月後
典型的な治りづらい複合的なアトピー性皮膚炎です。見かけ上で綺麗になっても、しつこいカビが真皮の奥に入り抗真菌剤による治療が長期になりました。

体治療 9ヶ月後
体全体がアトピーからの炎症で慢性化。内服薬による体質改善で少しづつ回復してきました。

体治療 2年1ヶ月後
アトピー性皮膚炎の悪化で中心部の赤みが強く、周囲に小さな丘疹(ブツブツ)が広がっており、細菌感染と真菌(カビ)が関与していました。

体 治療 10ヶ月後
もともとあるアトピー性皮膚炎が悪化し、紅皮症(こうひしょう)」と呼ばれる状態で赤く全身に広がりました。

手 治療 3年後
大人の手の甲のひどい荒れは、皮膚のバリア機能低下と洗剤が原因です。内服、外用薬に加えて、ゴム手袋による刺激回避をしました。

顔 治療 3ヶ月後
幼いころからアトピー。60代で悪化。特に治療が難しい顔、目の回りが改善されました。

足 治療 5ヶ月後
アトピー性皮膚炎が慢性化し、皮膚が厚くなる「苔癬化(たいせんか)」が進んだ状態です。バリア機能が低下しており痒みを伴っていました。

足 治療 1年 1ヶ月後
大人の膝裏アトピーは「治りにくい場所」の一つです。原因は膝裏の汗、摩擦、バリア機能低下などによる炎症の複合化です。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 学生ですが、講義中に眠くなりますか?
A. 強い眠気や、自覚のない「集中力低下」が起こる可能性があります。
内服薬に含まれる抗ヒスタミン薬は、アレルギー症状を抑える一方で、脳の覚醒状態を維持する「ヒスタミン」の働きもブロックしてしまいます。そのため、講義中に強い眠気を感じたり、眠気がなくてもボーッとして記憶力や思考力が落ちることがあります。
「勉強に集中できない」「どうしても眠い」と感じる場合は、無理をせず医師にご相談ください。学習に影響の少ない、眠気の出にくいタイプへの切り替えをご提案いたします。
Q. 仕事で車の運転をしても大丈夫ですか?
A. 原則として、服用中の運転は控えてください。
内服薬に含まれる抗ヒスタミン薬には、「自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること」と明記されています。
このお薬は、自分では「眠くない」と思っていても、とっさの判断力が鈍ったり、車の運転中にブレーキが遅れたりする危険性があります。
万が一、服用中に事故を起こした場合、過失を問われる可能性もあります。
お仕事や生活環境で運転が避けられない場合は、必ず医師にお伝えください。運転への影響が極めて低いと認められている別のお薬を処方いたします。
Q. スキンケア商品、保湿剤、染毛剤は使えますか?
A. 治療中のデリケートな肌への使用は原則としてお控えください。
アトピー性皮膚炎などで強い炎症(赤み・痒み・湿疹)がある場合、市販のスキンケア用品や保湿剤、染毛剤に含まれる成分が刺激となり、症状を悪化させる恐れがあります。炎症が起きている部位はもちろん、その他の肌への使用も避けてください。
これらは内服薬や外用薬による治療が終わり、肌の状態が安定してから再開しましょう。再開する際は、ご自身の肌に合う「使用感の良いもの」を選ぶことが大切ですが、もし再び赤みや痒みが出た場合には、直ちに使用を中止して医師にご相談ください。
Q. 洗剤を使うことはできますか?
A. ゴム手袋を適切に使用し、手への刺激と「蒸れ」を最小限に抑える工夫が必要です。
大人の手の湿疹は、キッチン洗剤などの化学刺激が原因となるケースが非常に多いため、作業時はゴム手袋の着用を推奨します。
ただし、ゴム手袋内は汗で蒸れやすく、その汗が患部の刺激となって症状を悪化させることがあります。そのため、一度の着用時間は最長5分を目安にしてください。
5分を超える作業が必要な場合は、一度手袋を外して手を休ませ、肌を乾かしてから新しい乾いた手袋に交換しましょう。一連の作業は合計15分以内に収めるのが理想的です。
作業後の手洗いは、石鹸や洗剤を使わず「水洗いのみ」にとどめ、清潔なタオルで優しく水分を拭き取ってください。
その後、速やかに外用薬を塗ります。軟膏は1日4回の塗布を基本としつつ、手を洗うたびにこまめに塗り直すことで、保護効果を維持することができます。
