アトピー性皮膚炎の治療は、長期にわたることが多くあります。治療の過程で表面的には肌が滑らかで美しく見えるようになっても、皮膚の深部に傷や真菌が残っている可能性があります。そのため、あらかじめ治療期間の見通しを理解していただくことで、長期的な治療への備えを整えることが大切です。
治療の成果として皮膚が美しい状態に回復した際には、必ず医師の指示のもとで治療の終了を確認してください。
しかし、治療が完了した後であっても、免疫力が低下したときには風邪や花粉症のようにアトピーが再発することがあります。このような場合、「火は広がる前に、小さいうちに消しましょう」のように小さな炎症の段階で迅速に対処することが肝心です。症状が広がる前に、速やかに当院に受診されることをお勧めします。
1.季節のカビを除去するプロセス
植物は季節によって咲く花が異なります。アトピー性皮膚炎の肌に付くカビも季節によって増える種類が違っています。また、増える速さも個人差と季節によって異なりはます。
1.1 当院の患者様で、翌年再発した例
アトピーの季節ごとに異なる種類のカビへの反応は人それぞれ異なります。
図のように、季節によってカビが増加し、体内から除去できない場合には、 皮膚に違和感を感じるときがあります。すぐにご相談ください。

春は湿度と気温が上昇し、カビが繁殖しやすくなります。特に雨や霧、昼夜の気温差が湿度を高める要因です。さらに、20〜30℃の気温はカビの成長に最適で、植物の水やりによる土壌の湿気も影響します。適切な対策をして快適な環境を保ちましょう。

カビは梅雨や夏の高湿度に最も注意が必要です。日本の夏は梅雨の影響で湿度が非常に高くなり、70%以上になるとカビが繁殖しやすくなります。特に雨が続く日や高温多湿の日は、室内の湿度が上がり、カビが発生しやすくなります。

9〜10月の本州は湿度70%以上の日が続き、夏に続きカビが増えやすくなります。特に近年は気温が高めで、10月以降も注意が必要です。
秋のカビは夏の暑さで耐性が高まり、放置すると急速に繁殖します。早めの対策が大切です。

冬に注意すべきスポットは、結露が発生しやすい窓際。温度差でできた水分とホコリがカビの原因になります。次に、加湿器。タンクやフィルターに水分と栄養が揃い、カビが発生しやすいのでこまめな手入れが大切です。
1.2 正しい治療終了
りつの式アトピー性皮膚炎の治療では、飲み薬を欠かさず 服用し、正しく軟膏を使用することで、次のプロセスのように免疫値がアップして正常になり、季節のカビが増えてき ても体内から除去することができます。

2.治り易い、治り辛いには理由があります
アトピー性皮膚炎には、面のように広がる「広範均一性湿疹」と、点々と分布する「散在性湿疹」との 2 種類があります。治療薬は同じでも、治癒までの期間は異なります。
※広範均一性湿疹と、散在性湿疹とが混在する場合もあります。
2.1 広範均一性湿疹
治療期間は数ヶ月です。複合的な症状によっては期間が伸びることもあります。
ネズミの絵は痒みの元のヒスタミンについて、ネズミを例にした説明です。
この例では、痒みの元であるネズミは他の部位に動かないので痒みを止める抗ヒスタミン剤がよく効きます。
確実に治療が進むのは、一種類のカビしかないためです。一種類が消えれば全てが順調に治療できます。

<広範均一性湿疹の治療へのお願い>
色が薄くなっても、医師の終了判定があるまで一日4回、丁寧に塗り薬を塗ってください。

2.2 散在性湿疹
治療期間は 1~2 年かかることがあります。長期治療に備えて、心構えをしましょう。
一種類が治っても違う種類のカビが残ったり、季節によって異なる種類のカビが増えることもあります。

<散在性湿疹の治療へのお願い>
個々の散在部に丁寧に塗り薬を塗ってください。医師の終了判定まで続けて塗ってください。

3.重症度別、治療期間の目安
アトピー性皮膚炎の治療は根気よく丁寧に進めなければなりません。
よくあるご質問に治療期間があります。ここでは、重症度に応じた治療期間の目安を示します。治療期間を左右する因子には、薬の付け方、ストレス、寝不足、風邪、飲酒、喫煙などがあります。
※症状によっては例外もありますので、ご不明点は医師にご相談ください。
3.1 アトピー性皮膚炎が軽症の場合


3.2 アトピー性皮膚炎が中等症の場合


3.3 アトピー性皮膚炎が重症の場合


医療法人社団仁 りつのクリニック
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